魚1匹焼くのに岩石学と熱力学まで持ち出しました|350℃玄武岩サバイバル料理
無人島に取り残されました。
フライパンも、
鍋も、
調理器具もありません。
では、魚をどうやって焼けばいいのでしょうか?
今回は魚を1匹焼くためだけに、
岩石学と熱力学まで持ち出してみました。
最初の問題は火ではありません。
岩です。
自然にある石なら何でも火に入れていいわけではありません。
内部に水分を含んだ岩石を急激に加熱すると、
水分が水蒸気へ変化して膨張し、
岩石が破損する危険があります。
そこで今回は、
乾燥した緻密な玄武岩を選び、
天然の調理プレートとして利用します。
焚き火で十分に加熱された玄武岩は、
岩石の比熱と熱容量によって大量の熱エネルギーを蓄えます。
表面温度がおよそ350℃に達すると、
ただの岩が天然のフライパンへ変わります。
そこへ魚を置いた瞬間、
表面の水分が急速に気化します。
強い伝導熱によってタンパク質とコラーゲンの構造が変化し、
表面では香ばしい焼き目とパリッとしたクラストが形成されます。
しかし、ここで問題が発生します。
350℃の岩の上で加熱を続けると、
中心まで火が通る前に水分が失われ、
魚がパサパサになってしまいます。
そこで濡れた葉を使って、
岩の上に天然のスチームドームを作ります。
内部で発生した水蒸気の潜熱と対流を利用し、
表面のパリッとした食感を残しながら、
熱を魚の中心部まで送り込みます。
中心温度がおよそ62℃に達すると、
タンパク質構造が安定して凝固し、
内部の水分と柔らかな食感が保たれます。
最後に黒曜石の石刃で魚を切り開き、
香ばしい表面と、
しっとりした白い身のコントラストを確認します。
結局、必要だったのは魚1匹と岩1個だけ。
でも、どの岩を使うべきか説明するには岩石学が、
その岩でどうやって魚を調理できるのか説明するには
熱力学が必要でした。
魚1匹焼くために、
ここまで科学する必要があったのでしょうか?
たぶん必要ありません。
でも、やりました。
ムダなくらい本気。
でも、知ってみると意外と役に立つ。
ムダに本気な料理科学

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