ステーキ1枚焼くのにライデンフロスト効果まで持ち出しました|300℃シアリングの科学
ステーキを焼くために、
本当にライデンフロスト効果まで必要なのでしょうか?
たぶん必要ありません。
でも、やってみました。
今回は厚さ5センチの熟成リブアイを、
300℃まで加熱したフライパンで焼いたときに何が起こるのかを分析します。
フライパンの表面温度が極端に高くなると、
水滴は接触した瞬間に消えるのではありません。
水滴の下に薄い水蒸気膜が形成され、
その上を滑るように高速で移動します。
これがライデンフロスト効果です。
そして、その300℃の熱領域へリブアイを投入します。
肉が接触した瞬間、
表面の水分が急速に気化し、
強烈な伝導熱によってクラスト形成が始まります。
同時にメイラード反応が加速し、
肉から溶け出した脂肪が高温の油蒸気となって周囲へ広がります。
しかし、ここで問題が発生します。
油蒸気に火がつくと、
表面温度は理想的なシアリング領域を簡単に超えてしまいます。
そのまま放置すれば、
クラストではなく炭化が始まります。
そこで肉をすぐに持ち上げ、
直接的な伝導熱を遮断します。
その後、
バターとローズマリーを加え、
高温の脂肪を表面へ高速でかけるアロゼを行います。
加熱後はステーキを休ませ、
中心温度を約54℃で安定させます。
最後に断面を切り、
強く焼き込まれた外側のクラストと、
鮮やかなミディアムレアの中心部を確認します。
結局、必要だったのは肉と熱いフライパンだけ。
でも、その現象を説明するには
熱力学、流体力学、熱伝達、
そしてライデンフロスト効果まで必要でした。
ステーキ1枚に、
ここまで本気になる必要があったのでしょうか?
たぶん必要ありません。
でも、やりました。
ムダなくらい本気。
でも、知ってみると意外と役に立つ。
ムダに本気な料理科学
いいね
0
よくないね
0

コメント 0
まだコメントはありません。最初のコメントをどうぞ。